家計簿アプリ活用で見つける固定費の無駄 新社会人向け削減ガイド
はじめに
新生活をスタートし、家計の管理に関心を持ち始めている方もいらっしゃるかと存じます。特に新社会人の皆様にとって、何にお金を使っているのかを把握することは、今後の資産形成の第一歩となります。多くの家計簿アプリは、日々の支出を記録し、見える化する上で大変有効なツールです。
支出全体が把握できるようになったら、次に着手したいのが「固定費の見直し」です。固定費は毎月決まって発生する支出であり、一度見直せば継続的な節約効果が期待できます。家計簿アプリを活用することで、この固定費の「無駄」を見つけ出し、効率的に削減することが可能になります。
固定費とは何か
家計の支出は大きく分けて「固定費」と「変動費」に分類されます。
- 固定費: 毎月ほぼ一定額が発生する支出です。住居費(家賃・ローン)、通信費(携帯電話、インターネット)、サブスクリプションサービス(動画配信、音楽、アプリなど)、保険料、新聞購読料などがこれにあたります。
- 変動費: 毎月の支出額が変動するものです。食費、水道光熱費(使用量による)、交通費、娯楽費、交際費、被服費などが該当します。
変動費を節約することももちろん重要ですが、日々の意識や努力が必要となります。一方、固定費は一度契約内容などを見直すことで、その効果が継続的に得られるため、より少ない労力で大きな節約に繋がりやすいという特長があります。
なぜ家計簿アプリが固定費見直しに有効なのか
家計簿アプリは、固定費を見つける上で非常に有用なツールです。その理由は以下の通りです。
- 支出履歴の把握: アプリに支出を記録または連携している場合、過去数ヶ月分の支出履歴を簡単に確認できます。これにより、毎月定期的に発生している支出項目(固定費)を特定することが容易になります。
- カテゴリ分類機能: 多くの家計簿アプリには、支出をカテゴリ別に分類する機能があります。「通信費」「サブスクリプション」「保険」といった固定費に関連するカテゴリを設定し、該当する支出を正しく分類することで、それぞれの項目にいくら使っているかを明確に把握できます。
- レポート・グラフ機能: アプリによっては、月ごとやカテゴリごとの支出レポートやグラフを自動で作成してくれます。これにより、固定費の合計額や、どの固定費が高いのかを視覚的に理解することができます。
- 忘れがちな支出の発見: 年払いしているサービスや、引き落とし設定していて普段意識しないサブスクリプションなども、家計簿アプリの履歴を見返すことで発見できます。
家計簿アプリを使った固定費見直しのステップ
家計簿アプリを活用して固定費を見直すための具体的なステップをご紹介します。
ステップ1: 固定費に関連する支出を洗い出す
まずは、家計簿アプリの支出履歴を確認し、固定費と思われる項目をリストアップします。特に以下のカテゴリに注目してみてください。
- 通信費: 携帯電話料金、自宅のインターネット料金。
- サブスクリプション: 動画配信サービス、音楽配信サービス、ソフトウェア利用料、各種有料会員サービスなど。
- 保険料: 生命保険、医療保険、自動車保険、火災保険など。
- その他: 新聞購読料、定額制の習い事やジムの会費など。
アプリの検索機能やカテゴリ別集計機能を活用すると、効率的に洗い出しが可能です。
ステップ2: 各固定費の内容と金額を把握する
リストアップした固定費について、具体的なサービス名、契約内容、毎月の(あるいは年間の)正確な金額を確認します。
- 携帯電話やインターネットプロバイダーはどこか、どのようなプランに加入しているか。
- 何のサブスクリプションに契約しているか、月額料金はいくらか。無料トライアル期間が終了していないか。
- 加入している保険の種類と保険料。
アプリの履歴で不明な点があれば、契約書類やサービスの公式サイトで確認します。
ステップ3: 見直しの可能性を検討する
把握した内容をもとに、それぞれの固定費に削減の余地がないかを検討します。
- 通信費: 現在の利用状況(データ通信量、通話時間など)に対して、契約プランは適切か。より安価な格安SIMや別の料金プランに変更できないか。
- サブスクリプション: 契約しているサービスは本当に全て利用しているか。利用頻度が低い、あるいは全く使っていないサービスはないか。似たようなサービスを複数契約していないか。
- 保険料: 現在の保障内容が、自身のライフスタイルや家族構成に対して過剰ではないか。不要な特約が付いていないか。よりコストパフォーマンスの高い他の保険商品はないか(ただし、保険の見直しは慎重に行う必要があります)。
- その他: 利用していない定額サービスや、購読していない新聞などはないか。
ステップ4: 削減を実行する
見直しの可能性があると判断した項目について、具体的な削減策を実行します。
- 契約変更・解約: 通信会社やサブスクリプションサービスの契約変更・解約手続きを行います。多くの場合、オンラインで手続きが可能です。
- プラン変更: 現在の契約先で、より安価なプランに変更できるか確認します。
実行した削減額を記録しておくと、モチベーション維持に繋がります。
ステップ5: 効果を確認し、定期的に見直す
削減策を実行したら、家計簿アプリで数ヶ月分の支出を確認し、固定費が実際に減っているか効果を確認します。削減できた分を貯蓄に回すなど、次のアクションに繋げる計画を立てるのも良いでしょう。
固定費の見直しは一度行えば効果が持続しますが、ライフスタイルの変化や新しいサービスの登場によって、再度見直しの機会が生まれることがあります。年に一度など、定期的に固定費をチェックする習慣を持つことをお勧めします。
まとめ
家計簿アプリは、日々の支出管理だけでなく、固定費のような見えにくい支出を把握し、削減の機会を発見するための強力なツールです。支出の見える化からさらに一歩進んで固定費の見直しを行うことは、無理なく継続的な節約を実現し、貯蓄体質を築く上で非常に効果的です。
今回ご紹介したステップを参考に、ぜひご自身の固定費を見直してみてください。テクノロジーを活用して賢く家計を管理することは、将来の安心に繋がることでしょう。